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【Cannes Lions 2025】ユニリーバのブランド構築における5つの重要なフレームワーク

ユニリーバは、消費者の心をつかみ、ブランドの欲求を高めるために、科学、美学、感覚的体験、共有、そして若々しいエネルギーを含む5つの要素をブランド戦略に取り入れている。このアプローチにより、同社は競争力を高め、消費者の共感を呼び起こしている。

同社のチーフ・グロース&マーケティング・オフィサーであるエシ・エグルストン・ブレイシーは、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2025のセッションで、これらのフレームワークについて語り、ブランドの目的やメッセージがどのように消費者に響くのかを解説した。

1. 科学を活用した信頼構築

ユニリーバは、ブランドにおける信頼を築くために、科学の力を活用している。エグルストン・ブレイシーは、「科学を使わないブランドは、ユニークで説得力のある方法で科学を所有している」と述べ、科学的アプローチを通じてブランドを差別化する重要性を強調した。例えば、洗練されたデザインのパッケージにマイクロバイオーム技術やプロバイオティクスを組み合わせ、消費者に対して効果的なメッセージを伝えている。

2. 美学と視覚的魅力

ユニリーバは、製品が機能的であるだけでなく、視覚的にも魅力的であることを重視している。「見た目、手触り、体験全体が一体となって欲求を高める必要がある」とエグルストン・ブレイシーは述べ、製品が消費者に与える印象が重要であることを指摘した。たとえば、ネクサス・プロ・メンドは、傷んだ髪を回復させる機能を持ちながら、「魅惑的なデザインのパッケージ」でも消費者を魅了している。

3. 感覚的体験の活用

ユニリーバのブランド戦略の第三の要素は、消費者の感覚を刺激することだ。味覚、テクスチャー、香り、音、さらには「儀式」の開発まで、あらゆる感覚を活性化することでブランドへの欲求を高めている。エグルストン・ブレイシーは「センソリアル」というアプローチが深い感情的記憶を呼び起こし、消費者との強い絆を形成すると語った。例えば、マグナムアイスクリームのチョコレートの殻の「ひび割れ」や、ヘルマンズマヨネーズのクリーミーなテクスチャーは、その一例だ。

4. 共有体験とコミュニティの構築

エグルストン・ブレイシーは、ブランドがどのようにして消費者に対する信頼を築き、共感を呼び起こすかに注目している。広告業界の「一対多」のモデルが変化し、「多くの人々が多くのメッセージを伝える」新しいモデルが登場していると指摘した。スキンケアブランドのヴァセリンは、ユーザー生成のコンテンツを使い、自社製品に関連する「ハック」をテストすることで、顧客とのインタラクションを増加させ、43%の売上増を達成した。

5. 若々しいエネルギーと文化的適応

ユニリーバは、あらゆる年齢層の消費者にサービスを提供しているが、特に若いエネルギーと文化的な妥当性を求めることに注力している。エグルストン・ブレイシーは、「若いエネルギーに満ちた文化的妥当性とは、年齢ではなく態度の問題である」と述べ、ブランドがどの世代にも共感を呼び起こす必要があることを強調した。例えば、ダヴは「本物の美しさ」というコンセプトを通じて、年齢に関係なくすべての人に共感される価値を提供している。

ユニリーバが提唱するブランド構築のための5つのフレームワークは、消費者との強い結びつきを形成するために、科学、美学、感覚的体験、共有体験、そして若々しいエネルギーという要素を重要視している。このアプローチにより、ブランドは時代に適応し、消費者の心に深く刻まれる存在となることができる。今後、ユニリーバはこれらの要素を活かしながら、より強いブランドの構築を目指していくだろう。(出典:WARC、The Cannes Lions 2025 Festival of Creativity)

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