モジュラー戦略で描く、ホンダ初のチームUSAキャンペーン

ホンダは、米国代表チームの公式自動車パートナーとして初となる大規模キャンペーンを展開する。今回の特徴は、トップアスリートの競技シーンとホンダのエンジニアリングを結びつけた「モジュラー方式」のクリエイティブ設計にある。同社はこの手法を、自社ならではの柔軟な広告活用を可能にする戦略として位置づけている。
キャンペーンの中核となる「これが夢の力だ」は、オリンピックおよびパラリンピック競技に挑む10名のアスリートアンバサダーを起用。それぞれの競技シーンと、車両を設計・製造・テストするホンダの現場を交互に描写する構成だ。主軸となるのは2本の60秒テレビCMで、NBCによる開会式中継内で初公開される予定となっている。

リアルタイム性と拡張性を両立するクリエイティブ設計

本キャンペーンの最大の特徴は、映像素材をモジュール単位で設計している点にある。アスリート、ホンダの技術者、製品カットといった複数の要素を組み合わせることで、放送、ストリーミング、デジタル、ソーシャルなど、チャネルや文脈に応じた最適な広告表現を即座に構築できる仕組みだ。
このモジュラー方式は、オリンピックのリング保持スポンサーにのみ提供される手法とされ、ホンダは競技当日に撮影された米国代表選手の映像を、同日中にテレビCMの一部として組み込むことも可能となる。これにより広告は大会の進行と強く連動し、ミラノ・コルティナ冬季五輪のハイライトと同期した高い即時性を獲得する。
メディア展開も多層的だ。米国代表チームの主要ホッケー試合ではRokuによるテイクオーバー広告を実施し、男子ホッケー中継ではPeacockでファーストアライバル広告を配信するなど、プラットフォームごとに異なる接点を設計している。

冬季五輪を軸に広がるメディア展開と長期パートナーシップ

ホンダのメインCM「アイデアを行動へ」「完璧なパフォーマンス」は、冬季オリンピック・パラリンピック期間中、60秒、30秒、15秒、6秒と複数の尺で放送・配信される。さらに、全国放送のNBAやNHLの番組、1月25日に行われるNFLのAFC・NFCチャンピオンシップ戦でもキャンペーンを展開する計画だ。ソーシャルメディアでは、登場アスリート一人ひとりの物語に焦点を当てるほか、いわゆる「楽しいソーシャルトレンド」にも連動していくという。
今回のキャンペーンに参加するホンダ・チームUSAのアスリートアンバサダーには、アイスホッケーのケンドール・コイン・スコフィールド、パラアルペンスキーのオードリー・クロウリー、スレッジホッケーのデクラン・ファーマーとブロディ・ロイバル、フィギュアスケートのイリヤ・マリニン、マディソン・チョック、エヴァン・ベイツ、スピードスケートのジョーダン・ストルツ、パラスノーボードのブレナ・ハッカビー、ボブスレーのケイシャ・ラブが名を連ねる。加えて、チーム・ホンダのドライバーであるカイル・カークウッドと吉原大も出演する。
映像内では、ホンダ・プレリュード ハイブリッド、ホンダ・パスポート トレイルスポーツ、さらに未発表の「ホンダ0シリーズ」セダンEVモデルなど、同社の最新車両も紹介される。また本キャンペーンは、自動車にとどまらず、パワースポーツ、パワー機器、マリン製品といった各事業向けに個別のクリエイティブ展開も行われる。
ホンダは米国ホッケー協会と約20年にわたるパートナーシップを継続しており、アキュラブランドは2030年冬季五輪まで米国ボブスレー・スケルトンチームのスポンサーを務める。さらに同社は、LA28オリンピックにおける最初期の命名権パートナーの一社でもある。今回のモジュラー型キャンペーンは、そうした長期的な五輪支援戦略を、より柔軟かつ現代的な形で拡張する試みと言えるだろう。(出典:MARKETING DIVE、画像:ホンダ)

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