
韓国のゲーム会社クラフトン、ADKグループを買収
韓国のゲーム会社クラフトンは、2025年6月24日、日本の広告・アニメグループであるADKを、750億円(約5億1621万ドル)で買収することを発表した。この取引により、クラフトンは、ベインキャピタル・ジャパンからADKホールディングスの親会社を取得することとなる。
クラフトンは、世界的に大ヒットしたゲーム「PUBG:バトルグラウンズ」の開発・販売元として知られ、その買収は広告業界とアニメ業界の融合を目指した戦略的な一歩と捉えられている。同社は、Bluehole Studioを前身とし、2018年に社名を変更して現在の形態となった。2021年には韓国証券取引所に上場し、時価総額は約11億ユーロ(約1兆6,000億円)に達している。
ADKは日本の三大総合広告グループの一つであり、広告、マーケティング、ブランド戦略を提供する総合広告代理店として、長年にわたって多くの有名ブランドと取引をしてきた。昨年の年間取引規模は約3480億円(約3兆2662億ウォン)に達する。また、これまでに300本以上のアニメ制作を手掛けてきた実績がある。代表的な作品としては、「ドラえもん」「遊戯王」「クレヨンしんちゃん」などがある。
クラフトンは、この買収を通じて、ADKが持つアニメの企画・制作力と自社のグローバルなゲーム開発・サービスの経験を融合させることを目指している。双方の独自性を保ちながら、新たな付加価値を創出することが期待されている。
クラフトンは、これらの既存のアニメコンテンツを利用しつつ、ゲーム開発や広告、メディアの融合を図ることで、両業界において新しいビジネスモデルの構築を目指すだろう。また、アニメとゲームのクロスオーバーを促進することが期待され、クラフトンはその強みを生かして、エンターテインメント業界全体で新たな付加価値を創出することが可能となる。
会社側は“クラフトンのグローバルゲーム競争力にADKのアニメーション企画・製作力量を加えれば、新しい付加価値を共同で創出できるだろう”と述べた。
日本のコンテンツ産業全般への長期的な拡張機会も一緒に検討する計画だ。 ADKが70年間蓄積してきた日本内の広告・メディアインフラにクラフトンのゲーム事業力量を連係させるやり方だ。(出典:Reuter他)