Dove、ボディ・コンフィデンス向上を目指す新キャンペーンを展開
ユニリーバ傘下のDoveは、新たなボディ・コンフィデンス推進活動として、「Dove Self-Esteem Project for Women(女性のためのダヴ・セルフ・エスティーム・プロジェクト)」を発表した。このオンラインプログラムは、女性が理想化された身体イメージから解放され、健全な自尊心を育むことを目的としている。同時に、TikTokを活用した参加型キャンペーン「#NewYearsUnresolution」を通じ、新年の抱負に対する考え方を再定義する試みも行っている。
キャンペーンの背景
Doveは20年以上にわたり、「リアル・ビューティー」というプラットフォームを通じて、非現実的な美の基準に挑戦してきた。同社の調査によると、特にミレニアル世代の女性は、他の世代と比較して自尊心が低い傾向があり、自分の外見に対する不安が社会的な孤立感を助長しているとされている。
- 調査結果の一部
Doveが実施した「美の実態レポート」では、調査対象となった女性の3分の1が、「完璧な」身体を手に入れるためなら人生の1年間を犠牲にしてもいいと考えていることが明らかになった。また、69%の女性が、外見に対する自信の欠如から社会活動を避ける傾向にあると回答している。
Dove Self-Esteem Project for Womenの概要
このプログラムはDoveのウェブサイトで提供され、以下の4つの核となるトピックを中心に構成されている。
- 身体との関係の修復
自分自身の身体に対するポジティブな視点を築く方法を学ぶ。 - ボディ・コンフィデンスの再定義
自信を育む要素と、それが日常生活に与える影響を探る。 - 社会的圧力への対処
メディアや社会からの外見に対する期待にどう向き合うかを検討。 - 美の新しい定義
個人の価値観に基づいた美しさの再発見をサポート。
プログラムには、ビデオ、アクティビティ・ワークブック、実践的なアドバイスが含まれており、セルフエンパワーメントを促進する内容となっている。
またDoveは「#NewYearsUnresolution」と題したソーシャルメディアキャンペーンを開始。消費者に対し、新年の有害な抱負を付箋に書いて破る様子を撮影し、TikTokに投稿することを奨励している。この取り組みは、非現実的な目標にとらわれるのではなく、自分自身を肯定する新しいスタートを切るよう促すものだ。
Doveのように、新年の抱負に対抗する動きを見せるブランドは他にもある。たとえば、プロテインスナックバーのRXBarは「新しい年、新しい自分」というメッセージに対抗するキャンペーンを実施。有害と思われる広告を遮断するための移動式トラックを展開している。
Doveはこの取り組みを通じて、女性のボディ・コンフィデンス向上を目指すと同時に、従来のダイエットや外見重視の価値観に挑戦する姿勢を示している。ユニリーバの長年のマーケティングリーダーで「リアル・ビューティー」の立役者であるアレッサンドロ・マンフレディ氏の退任後も、Doveはその理念を継承し、女性の自己肯定感を高める活動を続けている。
Doveの新たなキャンペーンは、女性たちに理想化されたイメージの追求から解放され、より健康的でポジティブな価値観を持つきっかけを提供するものとなっている。(出典:Dove、Marketing Dive)