UK：ブリティッシュ・エアウェイズの新キャンペーンが広告のルールブックを破った理由

ブリティッシュ・エアウェイズの新広告キャンペーンは傑作なのか、それともチャンスを逃したのか？イースターの週末、業界ではこの疑問が話題となった。ここ数日、同社の最新広告が英国中に出没しているが、それらはほとんどあらゆるマーケティングの常識を覆すものだ。
スローガンも、ウェブサイトも、行動への呼びかけもない。好奇心をそそるQRコードもない。実際、航空会社の名前はほとんど見えない。一見すると、屋外広告看板の広告サイズが間違っているように見える。過剰にトリミングされた画像を見ると、もっとあるはずだ。印刷ミスだろうか？そうではない。

航空会社によると、このキャンペーンは「飛行機の窓から、35,000フィート上空から世界を眺めたときの顧客の驚きの表情をとらえる」ことを目的としている。
乗客は通常、飛行機の窓から 自分の席の写真を撮る。斬新なひねりを加えて、カメラを反転させ、目的地を見つめる旅行者の感情を浮き彫りにしている。他の航空会社のCMでよく見られる、空から見た青空のような穏やかな写真とは対照的だ。

ウィンドウズ」キャンペーンは全部で11のイメージで構成され、そのすべてが航空会社の確立されたブランド認知を利用してストーリーを語っている。ブリティッシュ・エアウェイズの6人のスタッフが、この繊細なコンセプトに登場している。このプロジェクトは、風変わりなキャンペーンで知られるエージェンシー、アンコモン・クリエイティブ・スタジオと共同で開発された。
アンコモンの共同設立者であるニルス・レナードは、この戦略について、広告と出版部門の類似性を説明した：「本当に象徴的なブランドだけが、少ない言葉で表現できる。あなたが最も注目する雑誌は、表紙が最も少ない雑誌であり、ポスターも同じです。

傷ついたブランドの再建
このプロモーションは、航空会社にとって重要な時期に行われた。ブリティッシュ・エアウェイズは、今後2年間で70億ポンド（89億ドル）を投じて運航を見直し、乗客体験を向上させると発表した。これは、投資不足とアウトソーシングによって英国のフラッグ・キャリアが後手に回っているとの疑惑を受けたものだ。
ブリティッシュ・エアウェイズのショーン・ドイル会長兼CEOは以前、この投資プログラムは「我々のビジネスに革命を起こすだろう」と語っていた。
メディア・バイイング・エージェンシーのMG OMDは航空会社と協力し、イギリス全土で500カ所の広告ロケーションを特定・確保した。従来のビルボードに加え、エジンバラ、マンチェスター、ロンドンのピカデリーサーカスなどの主要都市にもデジタル版が設置されている。

この看板は、英国のフラッグ・キャリアである同航空の大規模な宣伝活動の最新段階である。3月には、エミー賞受賞者のマイルズ・ジェイ監督による新しいテレビCMを発表した。
テレビ広告と屋外広告の両方が、BAの「A British Original（英国オリジナル）」というポジショニングの一部を成している。このキャンペーンは昨年、カンヌライオンズ賞を受賞した。（続きはSwift 2024/04/01記事まで）