• ニュース

LVMH傘下で再生したティファニー、利益は2倍に

 ティファニーの売上成長、LVMHの改革が奏功

フランスの高級ブランドグループ LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン の会長 ベルナール・アルノー氏 は、2023年10~12月期(第4四半期)における ティファニーの既存店売上が前年比9%増 となったことを明らかにした。LVMHによる買収後、ブランドの収益性が向上しており、戦略の成果が出ていることを強調している。

28日にパリで行われた第4四半期の決算発表の記者会見で、アルノー氏は「ティファニーは眠れる森の美女だった。我々は彼女を目覚めさせることにした」と述べ、LVMHの買収がブランドの活性化につながったことを示唆した。

LVMHは2021年に約160億ドル(約2兆4900億円)でティファニーを買収し、これは高級ブランド買収として史上最高額とされる。アルノー氏はこの買収について「素晴らしい価格だった」と述べ、2024年の年間利益が買収前の2倍 となったことを明かした。

LVMHの傘下に入ったティファニーは、ブランドの価値を高めるために大胆な改革を実施。富裕層顧客へのアプローチ強化や店舗の改装に力を入れ、収益の向上を目指してきた。アルノー氏は「ティファニーの店舗を改装または新規オープンすると、収益が25%増加する」と述べている。

厳格化された目標と人員整理

ティファニーの経営改革の一環として、LVMHはより高い売上目標を設定。これに伴い、目標達成への意欲がない従業員の一部をレイオフ したことも明らかにした。アルノー氏は、「長年、安定した環境に慣れていた従業員に、急に野心的な目標を求めると、受け入れられない人もいる」と説明。LVMHの経営手法に適応できる人材とそうでない人材の選別が行われたことを示唆した。

一方、ブルームバーグ・ニュースは27日、ティファニーの一部店舗マネージャーが富裕層向けイベントの実施不足を理由に叱責された ことや、販売目標と給与を連動させ、ボーナスの約束が一部撤回された ことを報じた。また、ニューヨーク・マンハッタンの旗艦店の12月売上は前年並み にとどまったとも伝えられている。

旗艦店のパフォーマンスと今後の展望

こうした報道に対し、アルノー氏は「旗艦店は素晴らしい業績を上げた」と反論。ティファニーの改革は順調に進んでいると主張し、さらなる成長を見込んでいる。LVMHによるブランド強化策は、ティファニーに限らず、傘下の他の高級ブランドにも適用されており、今後の動向が注目される。(出典:Bloomberg, LVMH他)

最近のお知らせお知らせ一覧